田園風景
 

 

 つい1カ月ほど前まで、眠っていた生命体が、陽光を浴びて躍り出す春が好きだ。樹木が芽吹き、若草色っと緑が深まるにつれて、心も躍るようになってくる。

 忙しい日々を過ごしている時ほど、無性に自然の中に身を置きたくなる。暇を見つけては新緑を楽しみながら、県民の森を越えて山形市の西にある目当ての山に出掛ける。春ば山菜の季節でもある。

 雑木林を抜けて、山に分け入ると、ささやぶの中にワラビを見つけた。この山に通うようになって30年余。地上に出てまだ3〜5日はどしかたっていないのに、30aほどに成長したワラビは、春の日差しを受け、産毛が美しく透けて見えていた。

 ここのワラビは、小指ほどの太きがあり、味もいい。私にとって山菜採りは、日常のことをすっかり忘れさせてくれる一番のストレス解消策。山の宝物に感謝しながら、心地よい気持ちで山を下った。

 帰り道、田園風景が目に入った。田植えが終わった田んぼの上に、白い雪が雄大に浮かんでいた。遠くに、美しい街並みが見えた。新緑の季節の感動を抑えきれず、一気に作品を描き上げた。


(水彩画と文 渋谷勝男=和菓子店主)
 
     

 

   

 

   
       
 
朝日新聞山形県版に、夢彩彩を連載しておりました。

夢彩彩、web山形ホームページにてぜひお楽しみ下さい。
渋谷勝男の経歴
   
昭和12年 朝日町宮宿に生まれる
  飛塚安吉先生の指導で17才で県展初入選
  21、22才で個展開く
  県水彩画展 −− 市長賞 山新賞
35年 示現会入選
37年 県展奨励賞
38年 日本水彩連盟入選、以後5回
39年 県展賞
42、44年 県展山新賞
45年 県展賞
56年 示現会湊賞、日本水彩画展奨励賞
   
現 職  県展無鑑査、白風会会員、県美連会員、
     県水彩画会員  示現会準会員