ひまわり


 

 

「祝い事があるので、祝い菓子を作ってほしい」。
山形南西蔵王の農家の人から、こう頼まれたのは3年ほど前。1尺2寸のタイに、5枚笹(ざさ)とエビを添えた手作りの「タイエビ」を届けると大変喜ばれた。

 西蔵王にキャベツなどの高原野菜を買い求めに行くようにならたのば、この配達がきっかけだった。お茶をいただきながら話をしたが、飾らない人柄と長年自然とともに生きてきた表情に、幸せな気持ちになった。

 このときいただいた野菜のおいしさが忘れられず、高原の道路沿いにある直売所に通ううちに、何人かの知り合いができた。そのうちの一人、庄司喜平さんは76歳。腰は曲がっているが、元気がよく、とにかく野菜作りが好きな人だ。野菜は値段の変動も大きいが、「おいしかったの一言が、作る励みになる」との言葉にいつも感動を受ける。

 西蔵王からの帰り道、初秋を感じる高原の道沿いに、種いっぱいのひまわり。傍らに、鶏頭(けいとう)と枯れかかったとうもろこしが並んであった。その素朴な風景に見せられ、絵筆を走らせた。


(水彩画と文 渋谷勝男=和菓子店主)
 
     

 

   

 

   
       
 
朝日新聞山形県版に、夢彩彩を連載しておりました。

夢彩彩、web山形ホームページにてぜひお楽しみ下さい。
渋谷勝男の経歴
   
昭和12年 朝日町宮宿に生まれる
  飛塚安吉先生の指導で17才で県展初入選
  21、22才で個展開く
  県水彩画展 −− 市長賞 山新賞
35年 示現会入選
37年 県展奨励賞
38年 日本水彩連盟入選、以後5回
39年 県展賞
42、44年 県展山新賞
45年 県展賞
56年 示現会湊賞、日本水彩画展奨励賞
   
現 職  県展無鑑査、白風会会員、県美連会員、
     県水彩画会員  示現会準会員