記者が歩いたみちのくの四季

田沢湖(秋田)

「早春の●●」。いい響きです。今年は暖冬で、東北も雪が少なかったようですが、それでも冬は冬。やはり、春が待ち遠しいのではないでしょうか。仙台赴任中は、3度の「春」を経験しました。桜の季節もそうですが、その少し前、これから桜が咲く、という時期は、日々春めいてくる様子にどこか心が弾んでくる感じでした。

そんな季節、秋田にいった折、田沢湖による機会がありました。秋田内陸縦貫鉄道に沿って北上し、田沢湖方面に右に折れて山道に入っていきます。桜はまだでしたが、里はもうすっかり春めいていましたが、田沢湖に向かうにしたがって、開けた車の窓から入ってくる空気はひんやりしてきます。田沢湖にでる手前、かたまえ山森林公園という看板があり、展望台もあるというので、立ち寄ってみました。

快晴。真っ青な空も、空気をひんやりさせるようです。展望台に上がると、空よりも濃い青が目の前に広がります。田沢湖です。北海道生まれの私は子供のころ、支笏湖という湖によく遊びにいっていましたが「田沢湖についで、日本で2番目に深い」というので、少し悔しい思いをした記憶があります。最大水深423・4メートル。ちなみに支笏湖は363メートルです。その日本一の深さが、こんな色をだすのでしょうか。季節にもよるのでしょうか。深い群青色。「吸い込まれそうな」という表現が、実感できます。カルデラ湖なので、周囲は山に囲まれています。山々には、まだ残雪が残っています。湖の群青と、山の頂に残る白い雪のコントラストも「早春」ならではの風景です。

展望台を後にすると、すぐに田沢湖の湖岸に突き当たります。少し右に行くと、車が多く、観光バスなどが止まっています。有名な「たつこ像」があるところです。田沢湖の成り立ちに「たつこ伝説」があります。名所にはこうした「○○伝説」というのがあることが多く、たいていは結構単純な話なのですが、たつこ伝説は意外と複雑です。要約すると、昔、辰子という美しい娘がいて、美しさを保つために祈った神のお告げでみつけた泉の水を飲むと、大雨になって湖を作り、たつこが龍神として湖の主になった、辰子の母が投げ入れたたいまつが魚に変わりクニマスになった。という感じのお話です。また、八郎潟にすむ八郎太郎との物語もありますので、興味のある方は湖岸へどうぞ。

たつこ像は、思ったより大きいという印象でした。いつも磨いているのでしょうか。ピカピカしています。金色の像の後ろに青い湖というコントラストの絶妙ですが、いままでに写真やポスターなどで見慣れている風景なので、その実物を見た、という感じでしょうか。いろいろな角度から眺めて歩いてみるといいでしょう。

田沢湖の湖岸には、さまざまな観光スポットがありますが、その中の「御座石神社」というところに寄ってみました。ここには、伝説にそった形で辰子が飲んだという泉や、姿を映した鏡石などがあります。湖に面して鳥居もあります。赤い鳥居と青い湖。こちらもいいコントラストを描き出しています。

 

田沢湖写真@
(↑写真は拡大できます)

田沢湖A
田沢湖 たつ子の像