記者が歩いたみちのくの四季

東北の食 秋田

5月から6月にかけて、秋田に行くのが楽しみでした。目当ては、山菜です。最初に食べたとき、こんなにも種類があるのか、と感心したものです。
秋田市内の和食屋さん。「ここの山菜がおいしいのよ」と、秋田分室の方に連れられていきました。ゼンマイ、ウド、タラノメあたりは姿形も分かりますが、コゴミあたりからウーン。「バッケって」「フキノトウですよ」。そこから先はまったく知らないものばかりでした。アイコ、シドケ、ウルイ、ミズ・・・。ただ茹でたものや、味噌や胡麻などと合えたもの、てんぷらにしたものと、次々にだされて、名前を聞くのですが、おいしいという以外はよく覚えられませんでしたので、メモを取ったぐらいです。 苦味があったり、甘みがあったりと、どれがどれやら。「ネマガリタケ」というたけのこがでてきました。これは、生まれ故郷の北海道で食べていたたけのこと、変わりませんでした。北海道では熊笹のささやぶに分け入ってとるのですが、こちらも笹薮で取るとのこと。たぶん、同じような種類なのでしょうか。いまは、少し旬を過ぎたころでしょうか。この時期、「山菜採りで行方不明」などというニュースを見ますので、気をつけてください。おいしいので、たくさん採りたい気持ちは分かりますが。

秋田といえば、ハタハタ。70年、80年代前半ぐらいだったでしょうか。秋田でハタハタが獲れなくなったというニュースが話題になったことを記憶しています。中学校の頃、社会の先生が秋田の名産品を教えてくれるのに、秋田音頭を歌ったのがまだ頭に中に残っています。そして秋田音頭にもある「ブリコ」。ぷっくりと膨れたお腹から、少しネバネバした感じのハタハタの卵がでてくると、それだけでうれしくなります。東京ではなかなか、生のハタハタはなく、一夜干しが多いのですが、獲れたてのハタハタの塩焼きのおいしさは、秋田で初めて味わいました。しょっつる鍋もいいのですが、ただ焼いただけというほうが私は好きでした。

鍋といえば、きりたんぽでしょう。ただ「こっちもおいしいですよ」といわれたのが、だまこ鍋。きりたんぽはご飯を細長く棒に巻きつけてあるのですが、だまこは少しすりつぶしたご飯を丸めたおにぎりのような感じ。手間を省くというか、簡単にできるということでしょうか。焼いていないので、かえって比内地鶏の汁をすうのがいいのです。

そうそう、最初に秋田に行ったときに「比内鶏を食べたい」といったら「天然記念物食べたら捕まりますよ。比内地鶏ですから」と注意されたことを思い出します。比内町で食べた親子丼は絶品でした。

さて、最後はやはり稲庭うどん。「稲庭というところがあるんですよ」と秋田県担当者と車を走らせていると「このへんだったかな」と止めたのは普通の民家。中に入ると、表札が「稲庭」さん。「え?」「ここが稲庭うどんの原点なんです」。江戸時代から約300年の歴史があるという稲庭うどん。いまではたくさんの銘柄がありますが、ここが大元なのかと感心しました。残念ながら、予約がいっぱいで買えませんでしたが、後日湯沢市内で買い求めることができました。