◆猊鼻渓・厳美渓(岩手)◆

 「舟下り」というのは、なんとなく情緒を誘います。山形の最上川下りが有名ですが、残念ながら、船に揺られる機会がありませんでした。同じように、全国的にも名高い、猊鼻渓(げいびけい)には行ってみました。
 猊鼻渓は、一関市東部、砂鉄川(昔は鉄が取れたのでしょうか)にある渓谷。全長2キロで、川の両岸に高さ50メートル以上の切り立った崖が続いています。調べてみると、春は藤の名所として知られ、初夏の新緑、真夏の涼、秋の紅葉ときて、冬は雪をかぶった岩で水墨画のような景色が広がるとあります。うーん、残念ながら、行く機会が会ったのは、夏の終わり、それもどんよりと曇った日でした。行きたい時に行けない、できれば違うときに来たかった・・・ということが仕事柄、日常茶飯事ですので、行けるだけでも、見られるだけでも、よし。ぜいたくな悩みかもしれませんし。
 さて「舟下り」でした。船着場に着くと、細長い舟が係留されています。これまで日本ラインなどいくつか、川下りの経験はありますが、こんなに小さい舟は初めて。しかも、船頭さんは長いサオ1本で舟を操ります。渓流というからには、流れが速そうですが、ここは緩やかな流れなのです。船頭さんの舟唄(猊鼻追分というそうです)も聴けます。曇りとはいえ、水のきれいさはすぐわかります。水面に近いので、魚が泳いでいるのがわかるからです。のんびりと舟下りを楽しむ、ということでは、豪快さはありませんが、風情はあります。
両岸の切り立った崖や岩には、その形や色などによっていろいろと名前がつけられています。崖を縫うように船は進み、船着場に着きます。ここでちょっと休憩。断崖に取り囲まれているという感じです。そしてまた乗ったところまで帰る往復の舟旅。逆方向からみると、同じ岩でも違って見えてきますので、お見逃しなく。
さて、猊鼻渓をみたら、一関市のもう1つの渓谷、厳美渓も見ておきたいところです。こちらは一関市の西部にあります。厳美渓は国の名勝、天然記念物です。磐井川が凝灰岩の岩を長い年月で刻んだ渓谷です。こちらも磐井川中流に2キロにわたって、渓谷美が続くそうです。ただ、猊鼻渓を見た後、急いで向かったのですが、着いたときはもう日没直前でした。レストハウスやみやげ物店が立ち並ぶ周辺ぐらいしか、見られませんでした。元々は仙台藩の領地で、伊達政宗が宮城の松島とともにこの厳美渓がお気に入りだったそうです。橋から下をのぞくと、すべすべした岩肌の川床が見えます。そこの丸い穴があいているのが分かります。「甌穴(おうけつ)」というそうで、小さな石が最初は浅いくぼみに入り、川の流れでくぼみの中で回転することで徐々に削られて、最後がドリルで穴をあけたようになったのが、甌穴とか。
名物に「郭公だんご」があります。休憩所と対岸の店をロープウエーのようにワイヤーで結び、ワイヤーについた籠に注文と代金を入れて合図の板をたたくと、対岸まで籠が引いていかれ、だんごが返ってくるそう。気付いたときはもう閉店していて試せませんでしたが、おもしろそうです。

 

   

 

     

 

 
       
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